教育ビジネス業界の魅力と動向

「教えること」を仕事にしようと思ったとき、まず頭に浮かぶのは学校の先生でしょう。

小学校の先生なら、まだ幼さの残る子供たちが勇気や優しさ、自立心などを身に付けていく姿にやりがいを感じる人も多いはずです。中学校や高校の先生なら、思春期特有の悩みや受験のストレスなどに直面する生徒たちと信頼関係を築き、困難を乗り越えて逞しく成長していく姿を支えてあげたいと考えている人も少なくないでしょう。学校の先生は、いわば生徒の「全人格的な成長」を目指す仕事だと言えます。

それに対して教育ビジネスでは、講師の目的はより限定的で明確です。学習塾であれば「志望校の合格」であり、語学教室なら「語学の上達」です。でも、そうした限定的で明確な目的でも、努力してもなかなか成果が出なければ「モチベーションの低下」や「諦め」、「自己嫌悪」など様々なネガティブな感情が生じ、目的を実現できない受講生も少なくありません。

そんなとき、講師は時には小学生に接するように寄り添い励まし、あるいは信頼関係を作り上げていっしょにゴールを目指して走り続けます。そこで必要なのは、学習テクニックだけではありません。より必要なのは精神的な支えであり、困難を乗り越える力を育むことです。教育ビジネスの世界では、そうした学校教育とは一味違う「教える」やりがいや達成感に魅了された人たちが、日々教え子たちとゴールを目指して走り続けています。