医薬品・医療機器業界の魅力と動向

HIV感染症（エイズ）の存在が広く知られるようになった1980年代の初頭、HIV感染者の平均余命は20代でも10年程度と言われていました。それがその後の治療薬開発によって、今では平均寿命は非感染者と変わりません。

放っておくと肝臓がんの発症につながると言われているC型肝炎。激しい副作用を伴う長期間の治療でも完治しない患者さんが多かったこの疾患が、画期的新薬の登場で95％以上の患者さんが完治するようになりました。

不整脈の治療に使われるペースメーカー。60年間で小型化・高性能化が進み、今では大きさ1cc、重さ2g以下で心室内に直接植え込むものまで開発されています。そのおかげで、中には諦めていたトライアスロンに再挑戦できるところまで元気を取り戻した患者さんもいるほどです。

医薬品や医療機器の進歩は病気やけがによる苦しみを確実に減らし、以前だったら失われていた多くの命を守っています。それらは「苦しんでいる患者さんの役に立ちたい」と願い、懸命に取り組んできた人々が残してきた足跡です。

そしてコロナショックは人類が未だ感染症を克服できていないことを世界中の人々に痛感させ、医薬品や医療機器のさらなる進歩が人々の暮らしを、経済活動を、そしてこの世界を守るために必要不可欠であることを思い知らせることになりました。

医薬品・医療機器業界には、これからも人々の生活を、そして命を守ることで社会に貢献していることを心から実感できる仕事があります。